昔のパソコンで取り込んだ音楽ファイル(WMA)を、現在のオーディオ機器やスマホ、あるいは動画編集ソフトで読み込もうとした際、「非対応のファイル形式です」とエラーが出て困ったことはないでしょうか。こうした再生や読み込みのトラブルを最も確実に解決できるのが、互換性の高いWAV形式への変換です。
【この記事でわかること】
●手持ちの曲数や作業環境に合わせた、WMAをWAVに変換する最適なツールの選び方
●そもそもWMAとは何か、WAVとは何かという基本と、変換前に知っておくべき両者の違い
●専用ソフトやフリーソフトを使った具体的な変換手順と、つまずきやすい設定のポイント
●「Windows Media Playerで変換できない」、「保護されていてエラーになる」というトラブルの解決策
【結論】WMAからWAVへの変換は「曲数」と「作業環境」で選ぶのが正解
WonderFox HD Video Converter Factory Pro(一括変換の速さと操作の分かりやすさ重視)
foobar2000(無料の音楽プレイヤーで大量の曲を高速変換したい人向け)
VLC media player(新しいソフトを入れずに手持ちのプレイヤーで済ませたい人向け)
Audacity(ノイズ除去や波形編集をしてからWAV出力したい人向け)
Windows版iTunes(普段からiTunesで音楽管理をしている人向け)
Convertioなどのオンライン変換サイト(1〜2曲だけソフト不要で変換したい人向け)
WMAをWAVに変換できない・うまくいかない時の原因と対処法
Windows Media Playerで変換しようとしている
Q1. MacでWMAをWAVに変換するにはどうすればいいですか?
Q2. WAVに変換したら容量が大きくなりすぎました。音質を落とさず軽くする方法はありますか?
WMAをWAVに変換する場合、手元にあるファイル数とパソコン環境に合わせて「インストール型のソフト」か「ブラウザ上の変換サイト」を使い分けるのが最も効率的です。
Windowsに標準搭載されている「Windows Media Player」には、すでにパソコン内にあるWMAファイルをWAVに変換して書き出す機能がありません。そのため、以下の基準で外部ツールを選ぶのが最短ルートになります。
●アルバム単位や数十曲以上のWMAをまとめて高速変換したい・音量調整や不要部分のカットもしたい場合:操作画面が分かりやすく一括処理に強い『WonderFox HD Video Converter Factory Pro』や、音楽管理ソフトの『foobar2000』が適しています。
●すでにパソコンに入っている定番ソフトを工夫して使いたい場合:設定に少しコツはいりますが、『VLC media player』や『Audacity』、『Windows版 iTunes』でも変換可能です。
●1〜2曲だけ今すぐ変換したい・Macやスマホでソフトを入れたくない場合:ブラウザ上で完結する『Convertio』などのオンライン変換サイトが手軽です。
作業を始める前に、それぞれの形式の特徴とWMAとWAVの違いを押さえておくと、変換後のファイル管理や設定で失敗しにくくなります。
WMAとは(Windows Media Audioの略)、Microsoft社が開発したWindows向けの音声圧縮フォーマットです。 かつてWindows Media Playerで音楽CDを取り込む際の標準形式として広く普及しました。音質を保ちつつファイルサイズを小さくできるのが利点ですが、Microsoftの独自規格であるため、MacやiPhone、近年のカーナビ、動画編集ソフトなどでは読み込めないケースが多々あります。
一方のWAVとは(Waveform Audio File Formatの略)、Microsoft社とIBM社が共同開発した、音声データを圧縮せずにそのまま記録する標準的な音声フォーマットです。 WindowsだけでなくMacや各種オーディオ機器、Premiere Proなどの動画編集ソフトまで、ほぼすべての環境でエラーなく扱える圧倒的な互換性の高さを持っています。
つまり、両者の決定的な違いは「データ圧縮の有無」と「使える機器・ソフトの広さ(互換性)」にあります。
WMAをWAVに変換するうえで、あらかじめ理解しておきたい重要なポイントが2つあります。
1.WAVに変換しても元の音質より良くなることはない:「非圧縮で高音質なWAVに変換すれば、音が良くなるのでは」と思われがちですが、WMAが作られた時点で人間の耳に聞こえにくい音域のデータはすでに削られています(非可逆圧縮)。あとからWAVという大きな器に移し替えても、削られた音の情報が復活するわけではありません。ただし、MP3などの別な圧縮形式へ変換する場合と違い、「変換によるさらなる音質劣化」をゼロに抑えながら、再生や編集ができない問題だけを確実に解消できるのがWAV化の大きなメリットです。
2.ファイルサイズが元の約5〜10倍に増える:圧縮されていたデータを非圧縮の形式に展開するため、たとえば5分間で約5MBだったWMAファイルは、WAVに変換すると約50MB前後まで容量が膨らみます。数十曲をまとめて変換する場合、パソコンや外付けHDDの空き容量に余裕を持たせておきましょう。
ここから、実際にWMAからWAVへの変換で役立つツールについて、向いている人や具体的な手順、実際に使う際につまずきやすいポイントを解説します。
無料の変換ツールでは、WAV出力のために追加プログラム(コーデック)の導入や複雑なプロファイル作成を求められることがありますが、このソフトは「ファイルを入れてWAVを選ぶだけ」で直感的に作業が完了します。
【WMA→WAV変換で便利なポイント】
●大量のWMAをまとめて高速処理: 500種類以上の動画・音楽形式に対応しており、複数のアルバムに入ったWMAファイルを画面にドラッグ&ドロップして一括でWAV化できます。GPUアクセラレーション(ハードウェア支援)に対応しているため、曲数が多くてもパソコンの動作が重くなりにくいのが特長です。
●変換前のカット編集や細かな設定変更が可能: 動画編集のBGMや着信音として使う際、「曲の冒頭の無音部分を切り取りたい」、「全体の音量を少し上げておきたい」という編集が変換画面のままで行えます。また、動画編集ソフトでの音ズレを防ぐためのサンプリングレート変更(44.1kHzから48kHzへの切り替えなど)もワンクリックで指定できます。
●動画からの音声抽出やPC内部録音にも対応: Web動画のダウンロードや動画ファイルからの音声抽出(WAV化)、画面録画・音声録音機能も備わっています。後述する「コピー保護がかかっていて通常変換できないWMA」を、パソコンで再生しながら内部録音してWAVとして保存し直すという柔軟な使い方も可能です。
・HD Video Converter Factory Proを立ち上げます
・最初の画面で「変換」をクリックします
・次の画面の左上で「ファイル追加」もしくは「フォルダ追加」をクリックして変換したいファイルをソフトに追加します
・ヒント:複数ファイルの同時追加も可能です。
・画面の右側でMP4、AVIの様な音楽形式が表示されている四角い枠をクリックします
・次の画面で「音楽」をクリックします
・「音楽」のカテゴリーで「WAV」をクリックします
・☆WAVの他に、FLAC、AAC等の形式にも変換できます。
・出力フォーマットにWMAもプリセットされているので、もちろんほかの形式をWMAに変換することもできます。
PS:「パラメータ設定」をクリックし、次の画面でビットレートや音量を調整できます。
・画面の下にある小さい「▾」をクリックします
・出力フォーマットを選択したら、「OK」をクリックします
・最初の画面右下にある「変換」ボタンをクリックすればWMAをWAVに変換できます
【注意点】
有料ソフトですが、無料体験版が用意されています。無料版では「1ファイルにつき5分まで」という変換時間の制限があるため、まずは一般的な4〜5分以内の曲で操作感や変換スピードを試し、長尺の音声や大量のファイルを継続的に処理したい場合に製品版へ切り替えると無駄がありません。今すぐ、Windows PCに無料ダウンロード無料ダウンロードし、インストールしてください。
『foobar2000』は、動作の軽快さで長年支持されている無料の音楽プレイヤー兼管理ソフトです。オーディオ変換機能が優秀で、MP3へ変換する時のように外部エンコーダー(LAMEなど)を別途導入しなくても、WAVへの変換であればインストール直後の標準機能だけですぐに実行できます。
【変換の手順と注意点】
ソフトの画面にWMAファイルをドラッグ&ドロップしてリストに並べたら、曲を選択(複数選択可)して右クリックし、「Convert」>「Quick convert」から「WAV」を選んで実行するだけです。
初期状態が英語表記で画面もシンプルなため最初はメニューの位置に迷いやすいですが、一度覚えれば大量の音楽ファイルを整理しながら無料で一括変換できる頼もしいツールです。
動画再生ソフトとして定番の『VLC media player』にも、メディア変換機能が搭載されています。 すでにパソコンにVLCが入っているなら、追加のソフトをインストールせずにWMAをWAVへ変換できます。
【つまずきやすい点と解決手順】
メニューの「メディア」>「変換 / 保存」からファイルを追加して変換画面へ進みますが、VLCの初期設定には「MP3」や「FLAC」はあっても「WAV」の選択肢が用意されていません。 そのため、初回のみ以下の手順でWAV用の出力設定(プロファイル)を自作する必要があります。
1.変換画面の「プロファイル」右横にある「新しいプロファイルを作成(一番右のアイコン)」をクリックします。
2.プロファイル名に「WAV」と入力し、「カプセル化」タブで「WAV」を選択します。
3.「オーディオコーデック」タブに切り替え、「オーディオ」にチェックを入れたうえで、コーデック欄から「WAV」を選び「作成」をクリックします。
あとは作成した「WAV」プロファイルを選び、保存先のファイル名末尾に「.wav」と付けて開始すれば変換できます。設定の手間を省きたい方や複数ファイルをまとめて処理したい方は、WonderFoxやfoobar2000を使う方がスムーズです。
無料の波形編集ソフト『Audacity(オーダシティ)』は、音声の加工とフォーマット変換を同時にしたい場合に適しています。 ボイスレコーダーで録音したWMAファイルからサーッという環境ノイズを消したり、曲の終わりを自然なフェードアウトに加工したりしてからWAVとして書き出せます。
【つまずきやすい点と解決策】
パソコンの環境によって、AudacityにWMAファイルを読み込ませた際に「FFmpegライブラリが見つかりません」というエラーが出ることがあります。この場合、Audacityの「編集」>「環境設定」>「ライブラリ」を開き、案内ページから拡張機能である「FFmpeg」を追加インストールしてください。読み込みさえできれば、「ファイル」>「エクスポート」>「WAVとしてエクスポート」から簡単に書き出せます。
Windowsパソコンで『iTunes』を使っている場合、ソフト内の自動変換仕様を利用してWMAをWAVに変換できます。 Windows版のiTunesには、保護されていないWMAファイルをライブラリへドラッグ&ドロップすると、その時点で設定されている読み込み形式へ自動的に変換して登録する機能があるためです。
【変換の手順と注意点】
1.iTunesの「編集」>「環境設定」を開き、「一般」タブの「読み込み設定」をクリックします。
2.「読み込み方法」を「WAVエンコーダ」に変更してOKをクリックします。
3.パソコン内のWMAファイルをiTunesの画面へドラッグ&ドロップすると、自動的にWAV変換が始まります。
変換が終わったら、次回音楽CDを取り込む際に容量を圧迫しないよう、読み込み設定を元の「AAC」や「MP3」に戻しておくのを忘れないようにしましょう。なお、Mac標準の「ミュージック」アプリにはこのWMA自動変換機能はありません。
「手元に1〜2曲だけWMAがあり、今すぐWAVにしたい」、「パソコンにソフトをインストールしたくない」という場合、『Convertio』や『AConvert』というブラウザ上で使えるオンライン変換サイトが便利です。
サイトを開いてWMAファイルを選択し、出力形式に「WAV」を指定して変換ボタンを押すだけなので、Windows・Mac・スマホのどれからでも同じように操作できます。
【利用時の注意点】
手軽な反面、無料利用では「同時変換は2ファイルまで」、「1ファイル100MBまで」という制限があります。また、WAVに変換するとファイル容量が数十MBに膨らむため、変換後のファイルをダウンロードするのに意外と時間がかかります。外部サーバーへ音声データをアップロードする仕組み上、社外秘の会議録音やプライベートな音声ファイルを扱う際は、オフラインで完結するパソコン用ソフトを使う方が安全です。
ツールを使ってもエラーが出たり、変換後のファイルでトラブルが起きたりする場合、以下の原因が考えられます。
ネット上の古い情報で「Windows Media Playerで変換できる」と紹介されていることがありますが、Windows Media Playerでできるのは「音楽CDをパソコンへ取り込む際に保存形式としてWAVやWMAを選ぶこと」だけです。すでにパソコン内に保存されているWMAファイルをWAVへ変換する機能はないため、本記事で紹介した変換ソフトやサイトを利用してください。
昔の音楽配信サイトで購入したWMAや、古いWindows Media Playerで「音楽にコピー防止を追加する」にチェックを入れてCDから取り込んだWMAには、DRMという暗号化ロックがかかっています。このロックがかかったファイルは、どの変換ソフトやオンラインサイトに読み込ませてもエラーになり直接変換できません。
●対処法: 元の音楽CDが手元にあるなら、CDから直接WAV形式で取り込み直すのが最も確実です。元のCDがない場合、パソコン上でそのWMAを再生しながら、WonderFoxの「音声録音」機能やAudacityの「PC内部録音(ループバック)」機能を使って再生音をそのまま録音し、新規のWAVファイルとして保存することで実用上解決できます。※私的利用の範囲内で活用してください。
動画編集の素材として使うためにWMAをWAVへ変換した際、タイムライン上で微妙な音ズレが起きることがあります。これは、音楽ファイルの標準的なサンプリングレート(44.1kHz / 44100Hz)と、動画編集の標準規格(48kHz / 48000Hz)が異なっていることが主な原因です。
動画編集ソフトで使う目的で変換する場合、WonderFoxなどの出力パラメータ設定でサンプリングレートをあらかじめ「48000Hz」に指定してWAV出力しておくと、読み込み時のトラブルや音ズレをきれいに防げます。
A. 1〜2曲ならオンラインサイトの『Convertio』、曲数が多ければMac対応の『foobar2000』または『VLC media player』を使うのが簡単です。Mac標準の「ミュージック(旧iTunes)」アプリはWMAの読み込みに対応していないため、ブラウザ上で変換するか、Mac版のフリーソフトを導入して変換してください。
A. 再生機器やソフトが対応していれば、可逆圧縮形式の「FLAC」へ変換するのがおすすめです。古いカーナビや特定の編集ソフトなど「WAVしか読み込めない環境」であればWAVのままにするしかありませんが、単なる音楽保管やスマホ等での再生が目的であれば、音質を一切劣化させずにファイルサイズをWAVの半分程度に圧縮できる「FLAC」や、汎用性の高い「MP3(ビットレート256〜320kbps)」への変換を検討してみてください。
A. 無料ツールであっても、WAVへの変換処理でノイズが乗ったり音質が落ちたりすることはありません。デジタルデータの展開処理自体は有料ソフトも無料ツールも同じだからです。ただし、有料ソフトの無料体験版には「変換できる長さが5分まで」という制限がある場合があるため、長尺の音声ファイルを変換する際は事前に制限の有無を確認しておくと安心です。
WMAからWAVへの変換は、元データの音質を一切落とすことなく、「Windows以外の機器で再生できない」、「動画編集ソフトに読み込めない」という互換性の壁を取り除くのに最も有効な手段です。最後、失敗しないツール選びの基準を振り返ります。
●大量のWMAを迷わず一括変換したい・音量調整やカット編集、48kHzへの設定変更もまとめてしたいなら:直感的に使えて多機能な『WonderFox HD Video Converter Factory Pro』
●完全無料で音楽ライブラリの管理と高速な一括変換を両立したいなら:軽快に動く定番プレイヤー『foobar2000』
●手持ちのソフトを活かして変換や波形編集をしたいなら:『VLC media player』、『Audacity』、『Windows版iTunes』
●ソフトをインストールせず、今すぐ1〜2曲だけサッと変換したいなら:ブラウザで完結する『Convertio』などのオンライン変換サイト
手元にあるWMAファイルの曲数や、変換したあとに「どの機器・どのソフトで使いたいか」に合わせて、一番ストレスなく作業できる方法を選んで試してみてください。
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